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space×drama2016の感想を様々な視点で載せていきます 。300文字以上の感想を各劇団が書いていきます。皆様もコメント欄に是非お書き下さい!


by spacedrama
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カメハウス第拾壱回本公演「どろどろどるーんぷらすてぃっく」感想(遊劇舞台二月病 三村優里花)


梅の木に囲まれた教室。
パフォーマンスで魅せられる幻想的なシーンとパチリと蛍光灯が灯る妙にリアルな学生生活が行き来する。

私自身、制服を着なくなってしばらく経つが、この「高校」という場所は、演劇や映画、漫画、写真などの創作物において特別な力があると思う。
劇中でも触れていたが内の高校生達が悩み苦しもうが、大して楽しくないと思ってようが、外から見るとなんだか憧れてしまう。

図書室、屋上、プールサイド、こっそり線香花火、友達の家で勉強会、スナック菓子で打ち上げ、みんなで集まって初詣、クライマックスで走り出すヒロイン。

(過激な描写は結構あるが)ある意味学園物の定番と言えば定番な描写。
この高校という世界で、いかにも実際にクラスにいそうなキャラクターたちが制服を着て、弾ける笑顔で飛んだり跳ねたり踊ったりして日常を過ごすのがなんとも愛おしい。

そして、彼らクラスメイトたちと冷めた主人公 灯の学生生活にはギャップがある。
死に向かっていく灯の儚さに吸い寄せられる女子生徒たちの気持ちが少しわかる気がする。
わかりたい、できれば救いたい、しかしその影自体に魅力を感じるところもある、ほんとは少しだけ怖い。

3月31日、ハリガネムシはもういない。
表情豊かで熱くちょっと不思議な少女 明と生きていくことで自分として生まれ直せるだろうか。
キラキラと楽しく、晴れやかな作品で心地よかった。

遊劇舞台二月病
三村優里花
by spacedrama | 2016-05-18 02:53 | 劇団カメハウス感想