space×drama2016の感想を様々な視点で載せていきます 。300文字以上の感想を各劇団が書いていきます。皆様もコメント欄に是非お書き下さい!


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南河内万歳一座「楽園」感想(無名劇団 中谷 有希)

無名劇団の中谷です。
南河内万歳一座さんの「楽園」3日水曜日14時の回、観劇致しました。

緞帳があくと、そこは場末の居酒屋。
酒盛りの賑やかさが、作品の世界へと一気に観客たちを引きいれてくれます。

個々の役者さんの熱量やセリフの間、緩急はもちろん一斉に歌いだすところの躍動感、一瞬しか開かないトイレの中の落書きやポスターに至るまでの舞台装置の作り込みの緻密さ、痴漢冤罪のやったやってないの件で、新たな客が入ってきて「やってますか」と言ったのに対し「やってない」と言う心地よさ、机の上に乗りだす前に周りが自然と机の上のものをのかすというのも面白かったです。

何より役者さんひとりひとりがその世界を生きている臨場感。
セリフをセリフとしてではなく、役の感情できちんと発しているだけでなく、皆がきちんと相手のセリフを聞いて相槌を打っている。
自分のセリフがないところでも、ずっとその役で何らかの芝居をしている。
リアクションに嘘がないんです。
日常では、何かを考えながら話を聞いたり、話を聞いてるようで聞いていなかったり、そういったことを自然としているのに、なかなかどうして舞台となるとそれができなかったりするものですが、万歳さんはそれがきちんとできている。
最初から最後まで役の気持ちが通っているため、なんで悲しいのか、なんで怒っているのかといったことに矛盾がなく、すんなり感情移入できて、こういう人いるよな、みんな、それぞれにぞれぞれの人生があるんだな、戦っているんだなと思わせてくれる。

それから、ちゃんと群像劇になっているというのもよかったです。
誰一人無駄な役がいない。それでいて主役もいない。
誰か一人が主軸となって物語をまわすのではなく、みんなでまわす。

とにかく面白くて終始見入ってしまって、感想らしい感想が書けないのですが、私たちもこんな風にその作品世界にどっぷり浸れる作品をつくりたいなと思いました。
鮮度を失わないリアクション、セリフのないところでの芝居、常に新鮮に相手の話を聞いて、自分のセリフを発する、役を生きるということ、たくさん勉強になりました。

無名劇団 中谷有希
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by spacedrama | 2015-06-09 22:54 | s×d2015 | Comments(0)