カンセイの法則「田舎に住む人たちR」感想 ミジンコターボ 竜崎
2013年 06月 10日
観劇後、
おいしい水を飲んだ後みたいな清涼感でした。
とてもゆったりした、損はしていない2時間でした。
ミジンコターボの竜崎だいちといいます。
カンセイの法則さんの「田舎に住む人たちR」を観劇しました。
投稿が遅くなってしまいましたが、感想を書こうと思います。
邦画が好きで、いろんな邦画を見るのですが、どんな感情であれ何かぐさっとくる邦画もあれば、通り抜けるような、気持ちのいい風景のような邦画もあります。
どちらも好きです。グッと映画を見るのがしんどい時、ぼーっとBGMのように流れる物語を流しながら作業する。
「田舎に住む人たちR」は、わたしにとっては後者のジャンルの演目でした。
他の皆さんが書くように、演出面はきれいに整頓されていて、見ていて気持ちが悪いと思うようなところはほぼありませんでした。
ほぼ、と書いたのは、基本性格が悪い方なので、あんなにリアリティのあるセットだったのに、消えモノの食品だけはおにぎりを除きほぼありていだったのが、少しだけ気になったんです。
感想を書くんだという気持ちで見ていた手前、序盤それに気持ちをもっていかれそうになりましたが、あれだけ食べる場面があるのなら仕方ないか…と、次のシーンからは自分の目に食品フィルターをかけて見ていました。
でも逆に、「田舎」であることを至るところに出すあの作品なら、食べ物の匂いがしてくる舞台でもよかったのかも、とも思います。
食べ物の匂いに限定しましたが、それ以外にも、釣り道具、山の匂い、汗臭そうな泥くさそうないでたちの人々、運ばれてくる家庭的と想像する料理、こんなに嗅覚を刺激するものが出ていたのに、観劇後の感想は無味無臭だったなぁ、と思い返しています。
あと、これはうちの座長とおんなじ感想なんですが、わたしもかなりひねくれているので、最後の方にある釣竿を置くシーンを、ラストシーンと勘違いしました。
「人のために働く」「自分のために働く」「まだ分からない」、物語に3つのラインが出揃って、さて、観ている「あなた」はどうですか?と問題提起されて、そこで作品は終わりなんだと早合点したせいで、そこから先のシーンは、わたしにとってはとにかく蛇足でした。
そこから先のシーンを描いた山本さんは、本当に親切で優しい方なんだろうなと思いました。優しい方だから、登場人物にも優しい物語になるんだろうな、という感想でした。
無味無臭に感じたのは、他の方々が書くように、「負」の感情が描かれるシーンが圧倒的に少なかったのもあると思います。これは他の方々の感想を読んで思ったことです。
逆に、いい人たちを描くのはうまいなぁと感じました。
部長さんの描写には心底「いい人だなぁ」と思いましたし、観劇中少なくても20回は「いい人だなぁ」という感想があふれました。
それって、あまりないことやなぁ、とも思います。
通り過ぎる、という感想を持ったのは、題材となっているテーマが、わたしにとっては遠かったからかもしれません。
何のために働くのか、その問題が自分と近い人は違った感想を持ったのかもしれないなあ、とも思います。
見ていて癒される舞台だったのには間違いありません。
山本さんの書く「負」の感情は、きっと「負」だけには終わらない、優しくて、どうしようもない、やりきれない「負」なんじゃないかなぁと勝手に想像しています。そんな、感情ちぎれそうな「負」を描く作品が見たいなぁ、と思いました。
★★★
おいしい水を飲んだ後みたいな清涼感でした。
とてもゆったりした、損はしていない2時間でした。
ミジンコターボの竜崎だいちといいます。
カンセイの法則さんの「田舎に住む人たちR」を観劇しました。
投稿が遅くなってしまいましたが、感想を書こうと思います。
邦画が好きで、いろんな邦画を見るのですが、どんな感情であれ何かぐさっとくる邦画もあれば、通り抜けるような、気持ちのいい風景のような邦画もあります。
どちらも好きです。グッと映画を見るのがしんどい時、ぼーっとBGMのように流れる物語を流しながら作業する。
「田舎に住む人たちR」は、わたしにとっては後者のジャンルの演目でした。
他の皆さんが書くように、演出面はきれいに整頓されていて、見ていて気持ちが悪いと思うようなところはほぼありませんでした。
ほぼ、と書いたのは、基本性格が悪い方なので、あんなにリアリティのあるセットだったのに、消えモノの食品だけはおにぎりを除きほぼありていだったのが、少しだけ気になったんです。
感想を書くんだという気持ちで見ていた手前、序盤それに気持ちをもっていかれそうになりましたが、あれだけ食べる場面があるのなら仕方ないか…と、次のシーンからは自分の目に食品フィルターをかけて見ていました。
でも逆に、「田舎」であることを至るところに出すあの作品なら、食べ物の匂いがしてくる舞台でもよかったのかも、とも思います。
食べ物の匂いに限定しましたが、それ以外にも、釣り道具、山の匂い、汗臭そうな泥くさそうないでたちの人々、運ばれてくる家庭的と想像する料理、こんなに嗅覚を刺激するものが出ていたのに、観劇後の感想は無味無臭だったなぁ、と思い返しています。
あと、これはうちの座長とおんなじ感想なんですが、わたしもかなりひねくれているので、最後の方にある釣竿を置くシーンを、ラストシーンと勘違いしました。
「人のために働く」「自分のために働く」「まだ分からない」、物語に3つのラインが出揃って、さて、観ている「あなた」はどうですか?と問題提起されて、そこで作品は終わりなんだと早合点したせいで、そこから先のシーンは、わたしにとってはとにかく蛇足でした。
そこから先のシーンを描いた山本さんは、本当に親切で優しい方なんだろうなと思いました。優しい方だから、登場人物にも優しい物語になるんだろうな、という感想でした。
無味無臭に感じたのは、他の方々が書くように、「負」の感情が描かれるシーンが圧倒的に少なかったのもあると思います。これは他の方々の感想を読んで思ったことです。
逆に、いい人たちを描くのはうまいなぁと感じました。
部長さんの描写には心底「いい人だなぁ」と思いましたし、観劇中少なくても20回は「いい人だなぁ」という感想があふれました。
それって、あまりないことやなぁ、とも思います。
通り過ぎる、という感想を持ったのは、題材となっているテーマが、わたしにとっては遠かったからかもしれません。
何のために働くのか、その問題が自分と近い人は違った感想を持ったのかもしれないなあ、とも思います。
見ていて癒される舞台だったのには間違いありません。
山本さんの書く「負」の感情は、きっと「負」だけには終わらない、優しくて、どうしようもない、やりきれない「負」なんじゃないかなぁと勝手に想像しています。そんな、感情ちぎれそうな「負」を描く作品が見たいなぁ、と思いました。
★★★
by spacedrama
| 2013-06-10 11:12
| s×d2013