匿名劇壇『気持ちいい教育』 by劇的☆ジャンク堂 五味たろう
2013年 05月 10日
総評★★★☆☆
見終わった心境としては「面白かった」「いい芝居を見た」だけど、
惜しい事にはそれで終わり。
芝居を振り返ろうとしても「印象的なシーン、セリフ、キャラ」がない。
何度も言うが芝居のクオリティは高かったし笑えたし共感もした。
それが大きな感動に繋がらなかった理由の一つが「没個性」と、
話を完膚無きまでに完結させ、観客に「余白」と「余韻」を残さなかったことだと思う。
設定上の役割のみを果たすキャラクターや演じ方、演出プランでは綺麗にまとまる一方、
キャラクターに感情移入したり、それ自体を愛でたい人にとっては物足りなさに繋がる。
例えば見終わった後、話の結末に対して「こうなってほしかった!」とか、
「あのキャラは今後どうなるんだろう!? こうだったらいいのに!」とか、
そういったモヤモヤが気持ちいい僕としては、スッキリさせられすぎたことが気持ち悪かった。
『気持ち悪い教育』だった。
逆に「全てが気持ちよすぎるくらいハマる」事で気持ち悪さを与えたくてあえてそうした、と言われればお見事としか言いようがない出来だ。
もしこの物語を「曖昧」にすると物語のロジックとして成立しなくなるから、この作り方しかありえなかった。
最後に一つだけ。
先生が終わり際、本気で諦めたように言った
「気持ちいい教育の時代が来るよ」
は、もっとゾクっとさせてほしかった。できたハズだし、あのセリフだけのためにこれまでがあってもよかった。
僕はあのセリフが好きだ。
劇的☆ジャンク堂 五味たろう
見終わった心境としては「面白かった」「いい芝居を見た」だけど、
惜しい事にはそれで終わり。
芝居を振り返ろうとしても「印象的なシーン、セリフ、キャラ」がない。
何度も言うが芝居のクオリティは高かったし笑えたし共感もした。
それが大きな感動に繋がらなかった理由の一つが「没個性」と、
話を完膚無きまでに完結させ、観客に「余白」と「余韻」を残さなかったことだと思う。
設定上の役割のみを果たすキャラクターや演じ方、演出プランでは綺麗にまとまる一方、
キャラクターに感情移入したり、それ自体を愛でたい人にとっては物足りなさに繋がる。
例えば見終わった後、話の結末に対して「こうなってほしかった!」とか、
「あのキャラは今後どうなるんだろう!? こうだったらいいのに!」とか、
そういったモヤモヤが気持ちいい僕としては、スッキリさせられすぎたことが気持ち悪かった。
『気持ち悪い教育』だった。
逆に「全てが気持ちよすぎるくらいハマる」事で気持ち悪さを与えたくてあえてそうした、と言われればお見事としか言いようがない出来だ。
もしこの物語を「曖昧」にすると物語のロジックとして成立しなくなるから、この作り方しかありえなかった。
最後に一つだけ。
先生が終わり際、本気で諦めたように言った
「気持ちいい教育の時代が来るよ」
は、もっとゾクっとさせてほしかった。できたハズだし、あのセリフだけのためにこれまでがあってもよかった。
僕はあのセリフが好きだ。
劇的☆ジャンク堂 五味たろう
by spacedrama
| 2013-05-10 01:01
| s×d2013