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space×drama2016の感想を様々な視点で載せていきます 。300文字以上の感想を各劇団が書いていきます。皆様もコメント欄に是非お書き下さい!


by spacedrama
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ともにょ企画『エンカウントLOVE!』を拝見しました。

baghdad cafe'という劇団で作演出をしている泉と申します。
下記、五段階評価です。

感動 ☆☆☆☆
笑い ☆☆☆
汗 ☆
オリジナリティ ☆☆☆☆☆ 
性 ☆☆☆☆

役者同士が舞台上でコミュニケーションを取らないという方法がとても興味深かったです。
キャラクターとしてという意味でなく、芝居のキャッチボールをしないという方法を彼らは行っていました。
コミュニケーション不全という題材はよくあるものですが、こういった提示の仕方で成立している演劇はあまり見ません。オリジナリティは☆5つ。
キャラクターや劇世界が非常に低温で、感情の膨れ上がる瞬間が少ない。
この劇の平坦で不安定な状態がまさにコミュニケーション不全による孤独を表現していて、見事に「居心地の悪さ」を共有することができました。これを心が動くと言う意味で、感動と捉え☆4つにしました。
後半、ボーイがイチタに発する要求はセクシャルな性の幅広い商品化、性善説的なプラトニックさの対立がとても現代社会の人間らしく描けていました。性を人間の「サガ」と捉え☆4つを付けました。

課題としては上記の作風の場合、観客側を飽きさせないような演出をさらに増やし、作品の導き方・焦点の当て方など作品本質へのディレクションを工夫されるとよりよくなるのではと思いました。
しかし何より作演の鈴木さんの、現代社会に対する着眼点とそれをいかに表現するかという発想に、一層期待できる次回もまた楽しみになる作品でした。
by spacedrama | 2012-07-14 04:06 | s×d2012