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space×drama2016の感想を様々な視点で載せていきます 。300文字以上の感想を各劇団が書いていきます。皆様もコメント欄に是非お書き下さい!


by spacedrama
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コレクトエリット『カミシメル』石田1967

8月3日(水)




《應典院舞台芸術祭 space×drama2011》

コレクトエリット 【カミシメル】

http://yaplog.jp/collect-erit/




應典院

19:30





作演出/べかお

■出演■
木原勝利
重田恵
松本絵理
*****
上田展壽(突劇金魚)
上原日呂(月曜劇団)
豊田智子








【感想】

正直、演劇か?と聞かれると分からない。

ただ、

演劇の持つ力を模索して模索して、突き詰めてきたものを感じた。

いわゆる、

既成の概念を取っ払う作業からの再構築。




終演後、バクダッドカフェの泉くんにお芝居の解説をして頂いた。

演技・・・というものを提示ではなく、身体とセリフを切り離すところからこのお芝居が始まっていると聞く。

なんと!

演技と呼ばれるものの逆発想。

怖い!と口に出したとしても、演技では怖いと感じてはいけないのだ。

なので、言葉はセリフ・・・ではなく、ぶつ切りのワードに近いものを淡々と呟いていく手法を取っている。

そして役者達は、その言葉どおりの演技ではなく、

粛々と舞台上でストレッチをするかのような動きのみを出してゆく。



セリフ・・・は感情を込めずに、千切っては投げ千切っては投げのもので、観客がその意味に辿り着けるかどうかのライン。

しかし上原さんの静かな声量には確かな説得力があり、キャスティングに絶対的な布陣を感じる。




なんだろう、この空間は・・・・・




舞台中央には、天に向って一本の蔦が優美な曲線を描いて伸びている。

それを一本のスポットライトが浮かび上がらせる。

なんとも陶然とさせる。




そんな「カミシメル」。

実は再演らしく前回は、このような手法ではなく、ガッツリと普通のお芝居をしていたのだという。

その脚本を今回はアプローチを換えて再演に臨んだという。

今、

演劇的手法の模索の一つとして掲げられた角度。







お客様を選ぶ芝居。

最大公約数を求めるのではなく、己が道を突き詰める姿勢。

それが舞台中央に掲げられるか細い蔦にも似て、

天に伸ばす何本もの手。
by spacedrama | 2011-09-05 14:22 | s×d2011