コレクトエリット「カミシメル」観ました!
2011年 08月 04日
伊藤由樹と申します。
この名前を見たことある方は相当少ないと思いますが、大阪で役者やら何やら活動させていただいております。
はてさて、劇評なんて大層なモノではないのですが、「カミシメル」観劇後の感想を。
演出による舞台芸術、という言葉がまさに似合うような、そんな印象です。
この舞台の中では役者はひとつの「構成要素」として捉えられるでしょう。
役者さんたちは脚本上での話し相手をけして見ず、逆に観客をじっと見てくる。
そんな異様な雰囲気の中で発されるセリフは感情という色を排除したような、独特のリズム。
この色を排除する、というのがとても効果的だったように感じます。
登場人物が何を考えているのか、どう感じているのか、全て観客に委ねられるのです。
(もちろん、シーンイメージによる多少の方向性は与えられた上で、ですが。)
これは見る人によって形が変わる、ある意味で万人向けの作品なのかもしれません。
セリフだけでなく舞台構図についても、どこを目指しているのか、何を見せたいのか固定せず、舞台全体に意識を散らばらせるような。
その中で観客が見たいものを掴み、取捨選択していくことで出来上がる作品なのだなぁ、と。
僕はうかつにも、これは一体どの地点から(物理的にも、精神的にも)見れば正しい構図になるのか、と余計なことを考えながら見てしまいました。もう一度無心で見たいですね。
舞台上の世界は、ある男の生活と夢を行き来する。
役者による不可解な動き、先に述べた色を排した言葉。
この明らかにおかしな言動というのは、まるで夢の中そのものだと思えまして、今見ているシーンは夢の中なのか、現実の会話なのか、とても曖昧に感じました。(その実、照明効果によって夢と現実はきっぱりと分けられていたのですが。)
夢の中、赤と緑の色味によって照らされる舞台と役者たちはまるで絵画のように見えました。
赤く照らされた顔の影は緑で、こういうの、印象派とかフォービズムとかそういうのでしょうか?絵の知識に乏しいのでわかりませんが。
ストーリー自体はとてもわかりやすいのに、なんだったらエンタメとしてやってもいいくらいなのに、この観客を別世界に引きずり込んで手探りで歩かせるような構成、楽しませて頂きました。
演劇という一つのかたまりがあるとしたら、それをちぎり裂いて間に綿か空気でも詰め込んだような。
よくわからないと思いますが、そんなイメージでした。
あ、もう1点。
途中、夫婦というかカップルというか、とにかく男女二人での日常よくあるすれ違いのような、もうちょっとでケンカになるぞ、というシーンがあるのですが、この場面での会話、身に覚えがありすぎて笑えてきました。
男が不器用だとこういうことになるよね、と。
この名前を見たことある方は相当少ないと思いますが、大阪で役者やら何やら活動させていただいております。
はてさて、劇評なんて大層なモノではないのですが、「カミシメル」観劇後の感想を。
演出による舞台芸術、という言葉がまさに似合うような、そんな印象です。
この舞台の中では役者はひとつの「構成要素」として捉えられるでしょう。
役者さんたちは脚本上での話し相手をけして見ず、逆に観客をじっと見てくる。
そんな異様な雰囲気の中で発されるセリフは感情という色を排除したような、独特のリズム。
この色を排除する、というのがとても効果的だったように感じます。
登場人物が何を考えているのか、どう感じているのか、全て観客に委ねられるのです。
(もちろん、シーンイメージによる多少の方向性は与えられた上で、ですが。)
これは見る人によって形が変わる、ある意味で万人向けの作品なのかもしれません。
セリフだけでなく舞台構図についても、どこを目指しているのか、何を見せたいのか固定せず、舞台全体に意識を散らばらせるような。
その中で観客が見たいものを掴み、取捨選択していくことで出来上がる作品なのだなぁ、と。
僕はうかつにも、これは一体どの地点から(物理的にも、精神的にも)見れば正しい構図になるのか、と余計なことを考えながら見てしまいました。もう一度無心で見たいですね。
舞台上の世界は、ある男の生活と夢を行き来する。
役者による不可解な動き、先に述べた色を排した言葉。
この明らかにおかしな言動というのは、まるで夢の中そのものだと思えまして、今見ているシーンは夢の中なのか、現実の会話なのか、とても曖昧に感じました。(その実、照明効果によって夢と現実はきっぱりと分けられていたのですが。)
夢の中、赤と緑の色味によって照らされる舞台と役者たちはまるで絵画のように見えました。
赤く照らされた顔の影は緑で、こういうの、印象派とかフォービズムとかそういうのでしょうか?絵の知識に乏しいのでわかりませんが。
ストーリー自体はとてもわかりやすいのに、なんだったらエンタメとしてやってもいいくらいなのに、この観客を別世界に引きずり込んで手探りで歩かせるような構成、楽しませて頂きました。
演劇という一つのかたまりがあるとしたら、それをちぎり裂いて間に綿か空気でも詰め込んだような。
よくわからないと思いますが、そんなイメージでした。
あ、もう1点。
途中、夫婦というかカップルというか、とにかく男女二人での日常よくあるすれ違いのような、もうちょっとでケンカになるぞ、というシーンがあるのですが、この場面での会話、身に覚えがありすぎて笑えてきました。
男が不器用だとこういうことになるよね、と。
by spacedrama
| 2011-08-04 07:59
| s×d2011