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space×drama2016の感想を様々な視点で載せていきます 。300文字以上の感想を各劇団が書いていきます。皆様もコメント欄に是非お書き下さい!


by spacedrama
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ピンク地底人さん「ある光」観ましたっ

はじめまして、こんにちは!
突劇金魚という劇団で作家と演出家と役者をやっております、サリngROCKと申します。

このたびは、コレクトエリットさんの依頼を受けた勝山修平さんがピンク地底人さんだけ観に行けない、ということでわたしがピンク地底人さんの感想だけ依頼されまして、書かせていただくことになりました。
(勝山さんも自劇団の本番中でした!お疲れさまでした!)

このブログは「劇評ブログ」とのことですが、わたしはとても感覚的な人間で、劇評なんてほんとにとても言えません。。。すみません。。。
イチ感覚的な人間の、わたしの個人的な感想に留まると思いますが、精一杯の思いで書きます。





ピンク地底人さんの「ある光」

とてもおもしろく観ました。

わたしが一番おもしろく感じたのは、「光」に対するいろいろなアイデアが投入されていたところです。
それぞれがどういう風につながっていたり、伏線になっていたかはわかりませんが、主題(「光」)に対してのアイデアをいろいろ入れよう、っていう試み(思い?)がとても好きでした。


その中でもわたしが一番好きだったのははじめの照明で、下手側に一列に並んだ照明がバアッとつくところで、その照明は、赤や緑や紫、まるで「虹」のように並んでいて、それが、バアッとつくと、なんだか虹の光源を観たような気分になり、爽快でした。
照明の灯体の丸い色。
そしてそこから舞台上へ延びているそれぞれの色の光の筋。
その筋は光源から遠のくにつれて境界がぼやけてまざって、舞台上ではぼんやりとしか色の違いがわからなくなってて、
だけど人間に当たる光はその色を主張して、
上手側にいる役者は赤く、下手側にいる役者は紫に染まり、
虹の中にいるのに一色にだけ染まる人間がなにやら小さく見えたりしました。
小さく見えたのはわたしの勝手ですが、不思議でおもしろいですね。


美術の「光」への試み(思い?)も素敵でした。
光を反射させる素材で作ったカーテンは、風で揺れるだけでキラキラして、綺麗でした。
そのカーテンのあるあたりの床だけは、ビニールか何かで、光沢感が出されていました。
銀色のカーテンの素材と、光沢のある床は、冷たいシャープな印象の光を作っていました。
だけど、カーテン光は劇中のおはなしには関係なく風でチラチラと揺れ、それが何やら、かわいらしく、思えました。


また、そのカーテンを役者がひらりと手で押してくぐって行ったりする、自由で軽いところもまた好きでした。
銀色のカーテンの作る光を、人間がおしのけたり、舞わせたり。


さらにアフタートークで、役者がうしろにいっぱい連なっていく演出は「光の残像」だったと聴いてそれもおもしろく感じました。
あれは、光の残像だったのかー!
役者も全員がずっと「光」に挑戦していました。



おはなしもおもしろかったです。
兄と妹、病室、という狭い世界から、空、月、天の川、宇宙、と広がっていく感覚は単純に爽快でした。
そしてその、空の飛行機、兄、妹、父、鳥、月の人、などが一斉に集まるところも「ヤッター!揃った!」みたいな満足感もありますし、
そのあとさらに、それらが何故か融合して一緒にいるさまも可笑しくてかわいかったです。



わたしはとても興味深く観ました。
大阪では一人一役を演じる演劇が多い(と思います)が、一役を全員で演じるスタイルのも好きです。
(一人一役のも好きです。)
わたし自身はお話を重視したような演劇を作っていますが、ダンスのようなのも、お話を重視しないスタイルのも好きです。
 
全体的にとてもおもしろかったですが、特に
「ある光」というタイトルで、「光」に対する試みがいっぱいあったのが、
本当に素敵だと思いました。

わたしもそうありたいと思いました。



サリngROCK
by spacedrama | 2011-07-11 00:32 | s×d2011