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space×drama2016の感想を様々な視点で載せていきます 。300文字以上の感想を各劇団が書いていきます。皆様もコメント欄に是非お書き下さい!


by spacedrama
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クラスに2人は田中さんがいた。 「ハイヤーズ・ハイ」

アルコールを飲んで気分がよくなると、薄給なのに深夜料金のタクシーで帰ろうとする
仁井千絵です。
いつまでもご陽気でいようぜって囁く、シワの伸びきった我が脳に従っております。


さて、今回の芝居もそんな深夜のタクシーが舞台のコメディ。
客席とつながったフラットな舞台には、4つの椅子。
芝居が進むにつれて、増えたり減ったり、フォーメーションを組んだりして
車内が社内に、そして機内が館内に。

豪華絢爛は舞台装置も大好きですが、シンプルな中にも工夫凝らされてるじゃん
っていうのも大好きです。

アメリカンコメディタッチなんですが、チラシからの憶測でいうと
ロンドンタクシーのようで、ドライバーさんの雰囲気から言うと
京都発祥のあのタクシーのようにも思えて、人物の苗字から考えても、
温泉で浴衣に、仲居さんもどーんと登場してますので
がっつり日本なんですが、なんだろうこのカラリとした感覚。

東京節が歌いたくなりますねぇ。

小気味いい会話劇に、ちょっとした動きのスパイスが効いてました。
私が口下手なせいもあるのでしょうが、絶妙な間としゃべくりに
羨望のまなざしを向けずにはおれませんでした。

コトバ遊びだけって なると、うわべだけ感が吹き抜けて
観ていてもつらいところも多くあるのですが
なんだろう、ボケて突っ込む間が絶妙で 楽しい時間をいただきました。

間で笑わせるって、その場の雰囲気を汲み取って飲み込むってことですからねぇ。
観客との一体感というか、ライブならではの笑いがそこにはあると感心しきりです。

タクシーの車内にて、ふたりの作家と運転手がくりひろげる
即興劇制作大会は、手違いが生じると巻き戻されるドラマ。
自分の生きる世界も、こんな風に巻き戻してやり直せたら
面白いだろうなぁって考えるわけですが、タクシードライバーさんよろしく
現実世界はキビシイもんです。

ラストには、ちゃんと逃避できない現実的な料金問題。
そうですよねぇ。
あんなに同じ道を往復しては、料金もかかるでしょう。
深夜だしね。

面白い方へ、おもしろい方へ。
理不尽な出来事で、笑うぜってことではないですけど

話にからむ人々に無駄な登場人物はいないんすねぇ。
ってことは、私の人生に登場してきた方々に無駄な方々ないない!
失礼な話ですが、どんな出会いも最終的にはどこかでつながるように
できているんだなと自分に置き換えてみたりしました。

嗚呼、飲みにいきたーい!
もちろん、帰りはタクシーで。
by spacedrama | 2009-07-16 23:30 | s×d2009