space×drama2016の感想を様々な視点で載せていきます 。300文字以上の感想を各劇団が書いていきます。皆様もコメント欄に是非お書き下さい!


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無名劇団『無名稿 機械』(広瀬泰弘)



横光利一の『機械』という題材を大胆に脚色し再構成した力作。象徴的な舞台装置と、ドラマ自体の観念的な設定。原作と創作をアレンジして、どこでもない、でもなんだか古めかしくて、懐かしい世界で、女たちの確執を描く。靴職人の工房が舞台となる。そこにやってきた新人とその工房の主人夫婦、先輩である職人。彼らの織りなす物語は緊張感のあるドラマを奏でる。

前回同様、原作を劇中劇として再構成してもよかったのだが、今回はさらに複雑に絡み合った構成にした。どこまでが今で、どこからが過去なのか。描かれる世界すら、明白な時制を持たない。今と過去がオリジナルと原作のはざまで交錯する。

この独特で独自のスタイルが効果的である、とは思わないけど、とても刺激的であることは確かだ。きっとこのスタイルを突き詰めていくことで見えてくるものがあるはずだ。できることなら、もう少し先を見ていきたい。

まだ、この作品では、それが明確にはなっていないと思う。作品は単独で完結するべきだろうけど、方法論としての試行錯誤も含めて劇団が進化していく姿を追うことができるのは楽しい。次回、3作目で彼らがどんな区切りをつけてくれるか。ぜひ目撃したい。
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by spacedrama | 2016-06-18 23:25 | 無名劇団感想 | Comments(0)