space×drama2016の感想を様々な視点で載せていきます 。300文字以上の感想を各劇団が書いていきます。皆様もコメント欄に是非お書き下さい!


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無名劇団 第23回本公演「無名稿 機械」(石田1967(LINX′S))

無名劇団 第23回本公演「無名稿 機械」観劇。
mumeigekidann.web.fc2.com

ドロドロなドラマを無名劇団らしくパフォーマンスを組み込むが、
設定がミルフィーユの如く積み重なり、
愛と殺意がどっちに振っても納得な出来。

「無名稿 機械」
作:中條岳青 演出:島原夏海

【キャスト】
木下聖浩(kei's Works)
竹村晋太朗(劇団壱劇屋)
西田美咲(劇団 暇だけどステキ/劇的☆ジャンク堂)
島原夏海/柊美月/中谷有希/太田雄介/今井桃子/東田萌希(以上劇団員)

【スタッフ】
音響 飯田拓
照明 檜木順子
制作 山本直子
舞台美術 天野武志
楽曲提供 OKKA
宣伝美術 大川杏奈
広報 渡部征史


嫉妬渦巻く精神世界。
時間の流れが時に清楚に時に残酷に、
知っているのと知っていないとの境界線の曖昧さに、
人の業が滑稽なほどに当て嵌まり、
その姿は醜くもある。
そうした流れを客演陣に振り分けたのは見事としか言いようがない。
その選択の方がクローズアップされるからと劇団が判断したのである。
劇団員で物語の核を語るのではなく、
あくまで劇団員は世界観を構築するために存在するピースなのだと、
その欠片に徹したのである。
それは潔いほどの選択。
普通劇団公演であると核は劇団員が演じ、
世界観のモブはアンサンブルという名の客演の方がされる事も多々ある。
そうしてしまうことで瓦解する世界観を僕は何度も目にしているので、
その正しい作品世界への提示は、
この作品をより観客側に引き込む要因となっている。
話が逸れた。
今回嫉妬に狂う女役が西田美咲さん。
確か段持ちの格闘家であったはずそのスキルを活かした役柄で、
ジェラシーに歪む先輩役を狂おしく演じた。
多分、一回ごとの疲労は相当のものだろう。
彼女はコンテンポラリーダンスを得意とする女優である。
それらを封印しての物語の進行に徹した。
そしてその客演の中でも一番の年長である木下聖浩さんの重厚さよ。
他の芝居でもターミネーターと呼ばれる鬼先生を演じられたこともあるが、
あのゆっくりとした「間」が絶妙に上手い。
流石である。
そしてこの座組で恐らく一番身体能力の高い竹村さんが物語の芯を演じられているのだが、
その最大の武器を一切封じられている。
踊らない竹村さん。
パフォーマンスゼロの竹村さん。
その武器を封じてなお存在感を見せつける竹村さんの凄さよ。
しかし世界観の構築に徹した劇団員の力があればこそ、
この作品は一段上に行けたのだとも感じる。
中條くんの紡ぐ世界観に、
違うエンタメの要素が加わる日が楽しみになる作品でもあった。
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by spacedrama | 2016-06-18 15:21 | Comments(0)